ブラック×ホワイト

地味なイメージのあるシマノらしくない大胆なデザイン。
割と否定的な意見もあるようですが、わたしは気に入っていますし、むしろこのデザインに惹かれて選んだところもあります。シューズの内側と外側から大きく包み込むような作りで、サラウンドラップアッパーと名付けられた構造が、これまでにないフィット感を実現しているとのこと。
流線的なデザインで、表面の凹凸が非常に少ないです。これが空気抵抗を低減し、SH-R320比で5.5%優れているのだとか。まあ体感できるものではないでしょうが、確かにこのエアロなデザインはかっこいい。
アッパーの表面は光沢感があり、ツルツルしています。半分は白ですが、汚れてもサッと拭き取ればシミにもならなさそう。ちなみにカラーは2種類あり、ブラックモデルのほうは全体が黒です。

並べると見事に2色に分かれています。
実際にバイクに乗ってペダルを回しているときは外側の白い部分がよく見えるのですが。

固定方式は2本のベルクロ(マジックテープ)に、ラチェット式のベルト。アッパーを重ね合わせる感じで、上下の段差は少ないです。

ラチェットベルトの位置は前後2ヶ所で選択可能。六角レンチで簡単に取り付けられます。今のところ違和感はないのでデフォルトの前位置で使用中。
ワイドサイズ

型番の最後にEが付いているのはワイドモデル。
末尾がWはホワイトの意なので注意。
前のシューズもサイズ40(25.2cm)でしたが、ワイドになったぶん幅には余裕があります。足は小さいのに幅広だと、幅が窮屈なためにやや大きいサイズを選ばざるを得ないことがありますが、ワイドがあれば適正サイズを選べるのでありがたい。まあ通常のモデルでもそれほど窮屈には感じませんでしたが、ストレスは少ないに越したことはないですからね。


ややわかりにくいですが、上の黒いアッパーを開いたところ。内側にあたる白いアッパーは靴底と1本のゴムバンドでつながっていて、これにより足とシューズのフィット感が増しています。
実際履いてみてもキツさなどはなく、ペダリングを通じて一体感を感じるのでこれはいいです。ただ履くときは丁寧にやらないと履けません。立ったまま足だけで適当に履くのは難しくなったかな(笑)
ソール

素材はカーボンファイバー複合で、軽量高剛性。
シマノがソールの剛性を数値化しており、それによるとこのシューズの剛性は10。ちなみにフラッグシップのSH-R321は12。比較すると剛性はやや落ちますが、それでもエントリーモデルの樹脂製ソールと比べたら十分な剛性を確保しています。あまり剛性が高すぎても回しきれない可能性もあるので、これでも十分すぎるほどでしょう。
通気性


フラッグシップのSH-R321との大きな違いはソール剛性と、熱形成によるカスタムフィットの有無ですが、通気性の違いも大きいです。SH-R321はつま先に大きく通気口が空いていますが、このシューズにはありません。冬のライドでは足先が冷えすぎてしまうという声もありますが、沖縄で、夏にしか乗らないわたしにとってはつま先に通気口はあってほしかった。やはりこのあたりは差別化されていますね。倍近い価格差があるので当たり前ですが。
SH-R171には、アッパーの一部とソールに通気口は設けられています。
実測重量

クリート未装着の状態で
R:266g
L:262g
合計528g
公称486g(サイズ40)と差があるなと思いましたが、インソールを交換したためでした。実はシューズと同じくカスタムフィットインソールを購入して、それを入れて計測していました。もとのインソールより片方で15g重かったので、それを差し引けば両足で498g。ワイドサイズであることを考えればほぼカタログ通りか。片足250gでも十分軽量ですね。
ちなみに今まで使っていたSH-R087と比べて40g軽量化しています。
さて、詳細はこの辺までにして、
~実走してみてインプレ~購入して早速2日間で120kmほど使ってみました。まだまだ使い始めということでファーストインプレですが、一番変化を感じられるタイミングでもあるので、現時点での感想を。あくまで今まで使っていたSH-R087との相対的な評価になりますが。
①フィット感
十分に試着をしただけあって、フィット感は文句ありません。小さいくせに幅広なかっこ悪い足にも合うようなワイドサイズ展開があったのもありがたいところ。ロスをなくすために遊びがほとんどなく、足との一体感はSH-R087と比べると別次元です。ペダリングの最中にシューズのなかで足が動いてしまうようなことは全くなく、きれいに回せてさえいればかなり効率がいいように感じます。
ただ現時点ではアッパーに固さを感じ、特に右足の内側のくるぶしにアッパーが当たるため、痛みはありませんが違和感を感じます。これはわたし自身の問題で右膝が内側に入りやすい癖があり、それに伴って足が回内するので当たってしまいます。当たってもそこが柔らかければいいのですが、その部分がまだ固いので違和感を感じるのでしょう。でもこれは使っていくうちに変わってくる可能性が高いです。ソールはともかく、アッパーは皮なので、使えば柔らかくなるはず。そうなってほしい(笑)
②ソール剛性
今回シューズを新調して、最も違いを感じたのがこれ。確かにエントリーモデルと比べて剛性の高いソールになっているものの、明確に違いを感じ取れるのかと思っていましたが、想像以上の違いにビックリしました。クリートをはめてひと踏みしてわかるその違い。前のシューズでは母指球含めた、足の前部分で踏んでいる感覚がありましたが、このシューズの場合、ソール全体・足裏全体で踏んでいる感覚があります。むしろ今までのシューズがつま先寄りの前側中心で踏んでいる感覚だったぶん、これは土踏まずやかかとを使って踏んでいるような感じ。今までになかった感覚なのでとても不思議でした。
初日はその慣れなさから土踏まずに少し痛みが出ましたが、ペダリングの意識を変えて翌日は80km走っても平気でした。土踏まずに疲れが出るのはふくらはぎに余計な力みが入っているからで、固いソールに対して母指球で押すように力をかけようとしていたからでしょう。膝下に余計な力は入れず、足裏全体で押し込むように力をかければ自然に回せる感じがします。慣れていけばより楽にエネルギーを推進力に変えていけそうです。
③使い勝手・使い心地
使い心地に関しては、フィット感が増したとはいえ、やや疲れは感じます。これは剛性が高くなったことと、より隙間なく密着させようという作りからでしょう。レース用につくられているので、『より速く』走ることを追及している感じがします。
また夏場は通気性がもう少しほしい。休憩などで止まるとシューズを脱ぎたくなります。SH-R321のようにつま先に大きく通気口が空いていれば涼しいのかなと思ってしまいます。ただ逆に、雨のときはろくに水が入ってきそうな穴もないので、シューズの中はあまり濡れずに済みそう。冬はほとんど走らないのですが、寒いときは冷えを抑えられるかも。
ラチェットの取り付けは今までのシューズと逆なので、最初は違和感を感じましたが、慣れればどうってことないです。ただラチェットの爪はノッチがもっと細かければとも思います。やはり微調整という点ではダイヤル式のほうが有利です。
とにかくソールの高剛性化と、フィット感の高さが大きく変わったところでした。ペダリングの感覚も変わったので、これで速く走るのにもう少し時間はかかりそうですが、その感覚さえ身に付けばかなり武器になりそう。
レーシーな感じで見た目もかっこいいのもGood。自分が気に入った機材を使うというのは大事なことで、見た目もそれに大きく影響する要素なので、満足できるデザインでよかったです。これで走るモチベーションも上がるなら儲けもんですね。性能に見合ったレベルに上げられるようにならねば!この夏はSH-R171WEで走り回っていこうと思います。
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